「ひろしま社会起業支援サミット2010」
を開催しました!

・日時:2010年6月27日(日)
・場所:広島経済大学 立町キャンパス
 (市電「立町」からすぐ)

・参加費:無料

 当日の様子等がわかる「事業報告書」はこちらから!
hiroshimasocialsummit2010_report.pdf

2015年04月23日

資金調達「3:4:3」の法則のポイントは?



以前紹介した「ためまっぷプロジェクト」

クラウドファンディングサイト「READYFOR?」での
クラウドファンディングにて、
見事、130万円もの寄付を集めることに成功しました。

tamemap1

https://readyfor.jp/projects/tamemap/

「ためまっぷプロジェクト」の
清水義弘代表インタビューをベースに、

「クラウドファンディング成功の秘訣は何か?」

そのヒントを探るコーナー。

インタビューの内容から、
個人的にポイントをまとめてみると、
以下の3つになろうかと考えています。

1.「130万円の資金調達の経費が300万円」をどうとらえるか
2.「3:4:3」の法則
3.協働のための「7つの習慣」の観点から

今回は、第二の観点、
「3:4:3」の法則についてふれます。

※ここで取り上げた「3:4:3」の法則は、
「支援者の1/3の法則」として、
世界大手クラファンサイト「インディーゴーゴー」のCEOであるスラヴァ・ルービンさんも、
取り上げていることが、後日判明しました。
“最低1/3は、自分の直接の友人知人からお金を集めなくてはいけない”
http://diamond.jp/articles/-/67533

 
○理想的な資金調達の内訳は、
「自己資金:内部資金:外部資金=3:4:3」

 

「3:4:3」の法則とは、

起業などの資金調達にて、成功裏に資金調達を行った、
世間的に無名の個人や団体の資金内訳は、
往々にして、

「自己資金:内部資金:外部資金の割合が、
それそれ30%:40%:30%に近似する」


という法則です。

……とはいえ、一般的に定義された法則でも何でもなく、
私が勝手に見いだした法則です。

でも、あながち全くの見当違いでもないのではないか。
そんなことを思います。

ま、「自己資金30%」というのは、
起業の場合だと、よくあるお話ではあります。

銀行の融資とかでも、
それくらいの自己資金がないと、
そもそも融資しないケースも多いと思われます。

ただ、NPOなんかの資金調達だと、
「自己資金30%」だけだと、厳しいですね。

まず「自己資金:内部資金:外部資金」の解説

・自己資金:

自分の貯金や、家族から出してもらったお金や資産

・内部資金:

友達、あるいは団体のメンバーなど、
資金調達前からの人間関係からの支援

・外部資金:

今回の資金調達で新たに生まれた人間関係等による、
お金などの支援

起業でいえば、銀行からの融資もここに入ります。

この法則の補足をしておくと、

・成功裏に資金調達

これは、単に資金を集めた、というだけでなく、
その後の事業でも持続的な発展をなす可能性が高い。
そうしたニュアンスを込めています。

・世間的に無名

何らかの原因で(テレビに取り上げられるとか)、
世間的に名前が一気に知れ渡れば、
外部資金による資金調達も、相当はかどるでしょう。

そうなったときに、この法則はもちろん崩れるのですが、
そこまで大々的に名前が知れ渡ることは、
あんまりないですけどね。

さて、ためまっぷプロジェクトの場合はどうか。
詳細は控えますが、

「自己資金:内部資金:外部資金の割合が、
それそれ30%:40%:30%に近似する」


この「3:4:3」の法則に、
近似しています。

 
○「預言者郷里に容れられず」問題に取り組むか、それとも?
 

さて、この「3:4:3」の法則。

自己資金、内部資金、外部資金のそれぞれに注目すると、
次の3つのポイントが浮かび上がってきます。

2-1.「預言者郷里に容れられず」問題(自己資金)
2-2.代表の人脈力×メンバー間のコミュニティ力(内部資金)
2-3.テストユーザー集めとしてのクラウドファンディング(外部資金)

まず、「預言者郷里に容れられず」問題。

「預言者郷里に容れられず」というのは、
優れた人物は、身近な家族や地元では
あまり尊敬されないという意味のことわざ。

これは、以下の場合にあてはまります。

・すでに結婚している場合

夫や妻、あるいは子どもは、
自分の配偶者、親がリスクテイクして、
新しいことを始めるのを、基本的には反対します。

(もともと配偶者がリスクテイカーであることを
受け入れている場合は別)

この反対に対して、
説得して、逆に賛同してもらえるようにするのが、
ある意味最初の支援者獲得、顧客獲得といえます。

理想的には、自分と異なる、
男性脳、あるいは女性脳に対して、
賛同できるようにアプローチできることは、
プロジェクト紹介のアプローチの幅が
広がっていることを意味します。

ま、現実的には、

「なんかよくわからんけど、
お前のやってることだから支持する」

というところに落ち着くのがほとんどですが。

 

・親に支援を申し入れる

これは、基本的には相当難しいですね。

親子関係が悪ければ、
まずその修復から始めないといけない。

親子関係が良くても、
基本的に親は子どもがリスクテイクして
新しいことをするのを望まない。

ほとんどの親は、子どもが起業するよりも、
大企業や公務員に就職してくれることを望むでしょう。

(今後、社会がもう少し混沌とすれば、
その割合も減るんでしょうが)

まして、NPOとかで資金調達なんて、
基本、親にとってはマジで勘弁して欲しいのでは?
そんな、世間様を騒がす真似は、ご勘弁願いたい。
これも、少なからぬ親の本音でしょう。

ただ、なんだかんだで、それでも、

「なんかよくわからんけど、
お前のやってることだから支持する」

パターンで、最後にはある程度の支援をするのも、
また親というものなのかもしれませんが。

……ま、ぶっちゃけ、

独身で、自力である程度の自己資金を持っていれば、
「預言者郷里に容れられず」問題なんて、
あんまり関係がないと言えば、ない。

「預言者郷里に容れられず」問題に向き合うのは、
はっきりいって、相当精神的に消耗するでしょう。

(それでも、少なくとも配偶者や子どもには、
同意を求めるべきだとは、個人的には思います)

たぶん、投入の割に、
リターンは少ないことがほとんどでしょうね……

ま、だからこそ、

「預言者郷里に容れられず」なのですが。

 
○代表の人脈力×メンバー間のコミュニティ力が内部資金のカギ
 

続いて内部資金調達。

ここで第一にものを言うのが、
代表者(発起人)の人脈力。

ここ最近、「○○力」と、
何でもかんでも力をつけるのが流行ってますが、
「人脈力」というのも、当然あります。

たとえば、こんなサイトもあります。

"間違いだらけの人脈作りから脱出する〜ビジネスの現場で本当に必要な人脈とは?"
http://www.hitachi-solutions.co.jp/column/tashinami2/relationship/

「人脈力」に関心のある方は、
ぜひとも見ていただければいいと思いますが、

この記事のポイントをあげるとしたら、
個人的には、次の2点。

・まず与える
・オープンハート

上記2点は、ためまっぷ・清水代表の
インタビューでも出ていましたね。
http://www.psonic.org/archive_whatcbsb/no129/

NPO代表なんかだと「まず与える」のは、
夢、ミッションやビジョンなのでしょう。
その夢を心地よいと感じる人が、人脈になっていく。

もちろんそれだけではなくて、
可能な限り、相手が必要なことを手伝ってあげる。

最近、統一地方選挙もありましたけど、
政治家の場合だと、自分たちが票田になることをアピールしたり、
選挙のボランティアとか、ね。

もちろん、NPOが直接特定の政治家を支援することは、
いろいろと問題になるのですが、

あくまでも「政策提言の一環」といった形に
落とし込めるでしょうし、
そこまで神経質にならなくてもいいかも。

オープンハートってのは、
結局、突き詰めれば「相手を信じられるか」。

相手を信じるってのは、
裏を返せば、自分に確固とした自己肯定感があるか。
それがないと、相手を信じる事なんてできっこない。

ま、人間力、的なところに行き着きそうですね。

 

ただ、代表だけが人間味あふれて人脈力があっても、
それだけでは不十分。

続いて必要になるのが、
メンバー間のコミュニティ力。

NPOの場合だと、
スタッフや会員の一体感、結束度ですね。

それが強ければ強いほど、
プロジェクトの際の内部資金量が上がります。

このへんのお話は、
『世界を変える偉大なNPOの条件』のうち、

「原則3:熱烈な支持者を育てる」に関わってきます。

P-SONICでも過去に取り上げていますので、
ご参考までに。

"名作選・世界を変える偉大なNPOの条件"
http://www.psonic.org/archive_whatcbsb/selection1/

 
○クラウドファンディングはテストユーザー集めの受け皿
 

最後に外部資金について。

一般的な起業においては、
外部資金というのは、融資とかエンジェルとか、
あるいはベンチャーキャピタル(VC)とか、でしょうか。

NPOの場合は、加えて寄付や新規会員も、
外部資金になるでしょう。

では、クラウドファンディングは、
外部資金調達としては、
どのような位置づけと考えるべきか?

個人的には、単なる資金調達と言うよりは、
テストユーザー集めの受け皿と考える方が、
よりしっくりくると考えます。

新規にモノやサービスを提供する場合、
いきなりあまねく人に提供する、なんてことは、
普通ありえません。

普通は、その前に、
テストユーザーに使用してもらって、
色々とフィードバックを得るものですよね。

クラウドファンディングを通して、
テストユーザーを集めて、
そこからフィードバックを得ていく、というのが、
一つのあるべき姿なのかな、と考えています。

ためまっぷプロジェクトの場合、
今回のクラウドファンディングは、

「次回のより大規模な実証実験のための資金」

であり、
今回の支援者も、一種のテストユーザーとして、
位置づけていることは間違いありません。

おそらく、実証実験を数回重ねて、
フィードバックを高めていくことになるのでしょう。

次回は、第三の観点である、
協働のための「7つの習慣」の観点からふれます。

おそらく、これまでのおさらいが、
主になると思っています。



※この記事は、P-SONICのHP記事より転載しております。
http://www.psonic.org
posted by ccc_summit_hiroshima at 20:05| Comment(0) | 社会起業トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月24日

クラウドファンディングには初期投資する覚悟が不可欠




以前紹介した「ためまっぷプロジェクト」

クラウドファンディングサイト「READYFOR?」での
クラウドファンディングにて、
見事、130万円もの寄付を集めることに成功しました。

tamemap1

https://readyfor.jp/projects/tamemap/

 

「クラウドファンディング成功の秘訣は何か?」

そのヒントを探るコーナー。

今回は、インタビューの内容を元に、
クラウドファンディング成功の秘訣を分析していきます。

インタビューの内容から、
個人的にポイントをまとめてみると、
以下の3つになろうかと考えています。

1.「130万円の資金調達の経費が300万円」をどうとらえるか
2.「3:4:3」の法則
3.協働のための「7つの習慣」の観点から


○初期投資する覚悟と備えがないと成功しないのは、
クラウドファンディングも起業も同じ



まず考えたいのは、第一の観点

「『130万円の資金調達の経費が300万円』を
 どうとらえるか」

ともすると、次のように考えてしまいそうに、
なりませんか?

・要するに、約170万円の赤字だから、
 資金調達できたとしても、意味がないのでは?

・クラウドファンディングなんかせずに、
 130万円自費でポンと出した方が、
 安上がりで済んだのでは?


このことを考える上においては、
さらに3つの観点を踏まえるのがよいかと。

1-1.クラウドファンディングは「起業でいう初期投資」
1-2.お金を得るにはお金を必要とする
1-3.「足で稼ぐ」費用を最小化できる地政学的ポイント


クラウドファンディングは、
NPOがやるにせよ、個人や少人数でやるにせよ、
基本、「スタートアップ」のタイミングで、
行われることが多いですね。

個人や少人数でやるクラウドファンディングは、
たいてい

・モノをつくろうとしているので、資金を集めたい

といったカテゴリーですよね。

 そして、「スタートアップ」である以上、
 基本、現物は存在しない(あって試作品)。

 いわば、夢とか想いとかビジョンとかを、
 形にするために行う。

これは、通常の起業でも、
全く変わりません。

一般的に、起業の際に必要なのは、
「会社設立時にかかる資金」と「初期の運転資金」になります。

”起業時に必要な2種類の資金"
http://www.kigyo-to-go.jp/howmuch01.html


「会社設立時にかかる資金」というのは、

会社設立費、オフィス賃貸の初期費用、
オフィス家具の購入費(リース含む)、
OA機器や事務用品の購入費 など


「初期の運転資金」は、

人件費やオフィスの賃料、
電話代やインターネット料金等の通信費、
広告宣伝費やHP運用費や交際費等の営業経費、

その他には、仕入れや借入の返済、
専門家に仕事を依頼していれば顧問費、
コンサルティング費 など。


ためまっぷプロジェクトの場合、
話を聞く限りにおいて、
ほとんど営業経費(交通費)という印象を受けます。

 いわば、起業の前段階において、
 見込み客集めと、商品のヒアリング&フィードバックに、
 相当額投資した、という形だといえます。

清水代表の場合、
起業スタートアップに携わった経歴もあるため、
そのあたりの初期投資の必要性も、
十分理解されているといえるでしょう。


○「お金を得るにはお金を必要とする」という事実から
目を背けてはいけない



続いて押さえておかないといけないのは、

 「お金を得るにはお金を必要とする」という、冷徹な事実。

「何か革新的(と自分で思っている)な、
ビジョンなり商品なりを発表しさえすれば、
どこからともなく、お金が集まってくる。」

「社会的課題について、
切実に訴えれば、
どこからともなく、お金が集まってくる。」


な〜んてわけは、ないですよね。

結局、まずは自己資金で広告、営業を行わないと、
何もはじまらない。

起業の場合だと、当たり前すぎるこの事実も、
なぜか「いいこと」の場合だと、
みんな、この事実を忘れてしまう。

「自分たちがやっていることは社会のためになることだから、
なにも言わなくても、みんな支援するのが当たり前。」

「あなたのやっていることは社会のためになることだから、
ボランティアで(中抜きせずに)やるのが当たり前。」

 そんな勘違いをしている人が、
 まだまだ多いように思えます。

なんででしょうかね?


○「足で稼ぐ」費用を最小化できる地政学的ポイント2点


最後に、

「足で稼ぐ」費用を最小化できる地政学的ポイントについて。

これは、完全に余談です。

ためまっぷ・清水代表の場合、
実際のところ、広島にはそこまで人脈がなかった上に、
これまでの人脈が、千葉や埼玉にあり、

「足で稼ぐ」と、
交通費がどうしてもかさんでしまう。

そう考えると、
「足で稼ぐ」費用を最小化できる地政学的ポイントは、
次の2点にあることがわかります。

A.生まれも育ちも地元で、人脈が地元に集中
B.地元が東京近辺だとなおよい


Aは、ためまっぷ・清水代表の事例をみれば、
うなずけるかと思われます。

Bについては、
たとえば大企業にスポンサーをお願いするとなったら、
たいていの大企業は東京に本社、
または主要オフィスがある。

大企業関係者を地元に呼びつけるなんて、
できるわけがない以上、
自分が、東京に行ってプレゼンするしかない。

そうでなくても、大都会には、
ヒトもモノもカネも情報も、
一極集中している以上、

そこにアクセスする方が、
効率がいい、というのは間違いない。

まぁ、これは、

「ないものねだり」という側面もありますが、

それ以上に、あまり好かれない
考え方ではあるでしょうね。

「都会から地方へ」的な風潮が、
NPO業界には確実にあるので、

そうした風潮からしたら、
これは不都合な真実には違いない。
逆を言えば、

「生まれ育った都会から、
地方にIターンして起業」

というのは、
それだけ茨の道であることは、
間違いないですね。

次回は、第二の観点である、
「3:4:3」の法則についてふれます。



※この記事は、P-SONICのHP記事より転載しております。
http://www.psonic.org
posted by ccc_summit_hiroshima at 11:37| Comment(0) | 社会起業トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月18日

「自己責任論」を名のるムラ社会論を考える



佐々木俊尚氏の『自分でつくるセーフティネット(以下、資料)』をベースに、
「みんなが社会起業家」を考え直すシリーズ。




今回は少々寄り道。
以前、佐々木氏の、

結局のところ、わたしら日本人は見知らぬ他人に対しては
とても残酷だってことなんですよ。

わたしたち日本人は、実はけっこう苛烈で残酷である。
それをまず認めようじゃないですか。

それを知るところに、
スタート地点はあるんじゃないでしょうか。


という指摘を紹介しました。
今回は、それに関連して、

最近また話題になった、いわゆる「自己責任論」
このテーマについて、考えていくことにします。


○「イスラム国を名のる組織」問題でまた浮上した
いわゆる「自己責任論」



イスラム国を名のる組織(ISIL)によって、
世界的にも話題になった、
日本人の人質殺害事件。
(呼称についての私の考え方は後述)

非常に心の痛い事件であり、
関係者の方々には、お悔やみ申し上げます。

個人的には、イスラム国を名のる組織について、
様々に思うことがあるのですが、
まだそれを整理できていません。

そして、今回の事件における、
日本の反応を見るにつけ、
3・11当時の原発に対する反応と似た、
ちょっとざらっとした皮膚感覚があります。

なんか、まだまだ、
落ち着いて色々考察できそうにもない、
そんな感覚です。

そんなわけで、
イスラム国を名のる組織については、
しばらくふれることはしません(できません)。

ただ、いわゆる「自己責任論」については、
今回のトピックにかかわる問題でもあるので、
ここで整理しておきたい。


○いわゆる「自己責任論」は、
リバタリアニズム的な「自己責任論」とは別個



さて、先ほどから、
いわゆる「自己責任論」と、
「いわゆる」を協調しているのは、

いわゆる「イスラム国」と同じ使い方。

今回また話題になった、
いわゆる「自己責任論」は、
リバタリアニズム的な「自己責任論」とは、
やっぱり別個のモノだろうと思うからです。

もっと別の言い方でいえば、

「自己責任論」を名のるムラ社会論

こちらのほうがしっくりきます。
リバタリアニズム的な「自己責任論」の場合、
必ず「個人の自由」がセットになっています。

リバタリアニズムってのは、

「他者の権利を侵害しない限り各人は自由であり、
 政府が干渉すべきでなく、
 最大限尊重すべきであるとする。」

という思想ですね。

別に、リバタリアニズムでは、表だって、
「自己責任」を強烈に打ち出すことはないですが、

政府とか他のグループが、
自由を干渉することはあってはならない以上、
自己自由と自己責任は、セットになっている。

いわば、自由が中心にあって、
自己責任はその影のようなモノ。


○いわゆる「自己責任論」は
企業関係者には適応されにくい



それに対して、
「自己責任論」を名のるムラ社会論ってのは、
全然異質なモノですね。

さて、ここで、
皆さんのアタマで考えていただきたい
問題があります。
今回の、いわゆる自己責任論では、

「テロリストの本拠地に
自分で乗り込んで捕まったんだから、
それは自己責任だ」

というもの。

では、次の場合、
アナタは、それは自己責任だと思いますか?

A.本拠地周辺国で活動するNGO、ジャーナリストが捕まった
B.本拠地周辺国で活動する企業関係者が捕まった
C.日本において、テロリストに批判的な
  NPO、ジャーナリストが捕まった
D.日本において、反テロリスト側(米国など)と取引している
  企業関係者が捕まった
E.日本において、テロリストと関連のない市民が捕まった


個人的に、いわゆる自己責任論が
起こると思われる率を、以下に記します。

A>>>C>B>D>E

たぶん、この力加減になると思います。

というのも、
みなさまは、2013年1月16日に発生した、
アルジェリアにおけるテロ事件を、
おぼえていますでしょうか?

アルジェリアのイナメナス付近の
天然ガス精製プラントをイスラム系武装集団が襲撃し、
本プラント建設に従事していた関係者が拘束され、
日本人10名を含む33名の外国人が亡くなるという
大惨事となった。


http://www.risktaisaku.com/sys/news/?p=339


個人的に、この報道のあった際に、

「アルジェリアという、治安が不安定なところに、
進出する企業関係者がテロリストに捕まっても、
それは自己責任だ」

といった議論は、
寡聞にして聞いたことがありません。

むろん、このときに、
テロリストが身代金を要求してきた場合は、
自己責任論がわいて出た可能性はありますが…

アルジェリア事件の際にあった議論は、
企業のリスク管理という、
極めて常識的、かつまっとうな議論であり、
今回のいわゆる自己責任論とは、一線を画します。

ただ、個人的に、
これがNGOとかだったら、
もっと違った反応だったんじゃないか。
なんてうがった見方をしてしまいます。


○いわゆる「自己責任論」は、
ムラを飛び出したアウトサイダーへの制裁



「自己責任論」を名のるムラ社会論の場合、

「ムラの中にいる人間は家族、共同体の一員だから、
 相互の絆で助け合うべき」

「しかし、ムラから出た人間は、
 のたれ死のうが何しようが、
 知ったこっちゃない。

 まして、村人たちに
 迷惑をかけるようなことは、
 決して許されない。

 なぜって、ムラを出たのは、
 そいつの自己責任だから」


「自己責任論」を名のるムラ社会論では、

 自己責任ってのは、
 自由に付随する影ではなく、
 ムラの裏切り者に対する、ある種の制裁のこと。

だから、いわゆる「自己責任論」な、
そんな話題が出た場合は、

ムラのオキテを破ったアウトサイダーに対する、
制裁なんだと思えば、
その執拗な攻撃性を理解できると思います。

となれば、NPO、NGOやジャーナリストが、
企業関係者よりも、
何かと自己責任論で叩かれやすいのは、

日本人は、
企業ムラに属していない人を、
村人だとみなしていないからだと考えれば、
その背景が理解できると思います。

一部に、今回のいわゆる「自己責任論」を、
リバタリアニズムというか、
いわゆる「新自由主義」の文脈で、
批判する人もいるようですが、

これは、個人的には、
かなり的外れな議論だろうと思います。

べつに、小泉政権以降、
多くの日本人が突然リバタリアニズムに目覚め、
自由の影としての自己責任を、
追及するようになったとは、
とてもじゃないですが、思えませんね。

日本人は、昔も今も、

結局のところ、
わたしら日本人は見知らぬ他人に対しては
とても残酷だってことなんですよ。



○国とムラと個人との責任のバランス


さて、
「自己責任論」を名のる
ムラ社会論について理解し、

かつ、ムラは崩壊の一途をたどっている、
という現実を理解した上で、

私たち一人一人は、どうしたらいいのか?
いくつかの考え方があると思います。

(1)国家は個人の自由には関与しないが、
   生命や経済面で国民を守る義務がある
(2)ムラをなんとしても守るべき
(3)リバタリアニズムを追及する


(1)は、いわゆるリベラル的考え方です。
経済的には、国家による所得再分配を重視します。

「自己責任論」で
国民を突き放すことは一切無い。

(2)は、いわゆる自民党的な手法です。
伝統を重視し、ムラによるセーフティネットの、
再構築をはかる。

ここでは当然、
「自己責任論」を名のるムラ社会論が重視されます。
そうでないと、ムラが維持できない。

それに対して、(3)は、
基本的には国は所得再分配も規制もしない。
個々人はホントの意味で自己責任。

社会的弱者の支援は、国ではなく、
個々人の自由意志でなされるべき。
ぶっちゃけ、日本の主流的なありかたは、
(1)か(2)ですね。

佐々木俊尚氏も、
どちらかといえば、(1)の立場といえます。
NPOや社会起業家のほぼ全員、
同様に(1)の立場になるといえます。

リバタリアニズムを追求しきることは、
日本では難しいんじゃないかなぁ。

ただ、規制緩和とかとなると、
一部リバタリアニズムが出てきますがね。
私自身の立場は、
まだ明確化しきてれいないところもあるので、

今後とりあげていく、
社会起業の<革新性>と、
絡めて考えていくことにしたい。


○おまけ 〜「イスラム国を名のる組織」の呼称について〜


「イスラム国」を名のる組織(ISIL)について、
呼称については、色々と議論があるようですが、
どうも、

(1)国じゃないんだから「イスラム国」はまずい
(2)イスラム教と同一視すべきでないので、
  「イスラム国」はまずい

といった観点があるような気がします。

 もちろん、私自身、
 イスラム国を国と認めてなんていないし、
 大多数のイスラム教徒の方々は、
 平和を愛する善良な方々であると考えています。

で、その代わり、

・ISIL:イラクとレバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and Levant)
・ISIS:イラクとシリアのイスラム国(Islamic State of Iraq and Syria)
・IS:イスラム国(Islamic State)

といった略称が使われることが一般的です。
最近では、ISが主流のようです。
(本人たちがISを名のってる)

で、ほかにも、

・ダーイシュ:イラクとシャームのイスラム国
 (al-Dawla al-Islamiya fi al-Iraq wa al-Sham)

といったものがありますね。

日本国としては、ISILに統一しようということに、
なっていきそうです。
とりあえず、ごくごく個人的な意見としては、

(1)「ISIS」「IS」は使いたくない
(2)結局、全部の略称に「イスラム国」が入ってる
(1)はごくごく簡単な理由で、

「ISIS」も「IS」も、
いろいろ他に使われてるから。

「イスラム国」という呼び方は、
イスラム教徒に失礼だ、
というのは、うなずける意見ですが、

その考え方で言えば、
「ISIS」「IS」という略称を、
かの組織に割り振ってしまうのは、
他の意味で使用されている正式名称に、
失礼とも言える。

ISISの場合、
エジプト神話の女神(イシス)でもあるので、
例の組織のイメージを、
かえって向上させている気もする。

ISに至っては、
ISで検索したところで、

トップに検索されるのは、
Islamic Stateではなく、
Infinite Stratosなのだから、

いろいろな意味で、
どうなのかという気がする。

加えて、ISで次にヒットするのは、
トヨタ車のレクサス。
TOYOTAのイメージダウンに寄与しそう。

それは日本国経済にとっても、
いい影響があるとは思えない。
そう考えると、ISILかダーイシュが、
いいのかもしれないけど、
結局、両方とも意味としてはイスラム国。

だったら、ごくごく個人的には、
「イスラム国を名のる組織」、でいいのでは?
そんなことを思うのです。

ただ、今後は、面倒事も嫌なので、
ISILにしておこうかな、とは思ってます。
日本国公式みたいですしね。
このへんは、各自の考え方になるのでしょうから、
強制できる問題でもないと思っています。

ま、状況に応じて、
この問題は臨機応変に対処したいと思います。




※この記事は、P-SONICのHP記事より転載しております。
http://www.psonic.org
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