「ひろしま社会起業支援サミット2010」
を開催しました!

・日時:2010年6月27日(日)
・場所:広島経済大学 立町キャンパス
 (市電「立町」からすぐ)

・参加費:無料

 当日の様子等がわかる「事業報告書」はこちらから!
hiroshimasocialsummit2010_report.pdf

2014年08月12日

現状では社会起業の担い手は「金持ち」「暇人」「意識高い系」




今回からは考えてみたいテーマは、

「社会起業の担い手は誰なのか?」

社会起業の社会性のまとめにかえて、
考えてみたいと思います。

そして、おそらくこのテーマは、
これから考えていく予定の、
社会起業の革新性とも関連していくであろうと思っています。
「社会起業の担い手は誰なのか?」

このテーマについて、
個人的には、以下の3つの切り口から、
考えてみたいと思います。

(1)現状、社会起業の担い手は3種類の人種しかいない
(2)「みんなが社会起業家」論・再考
(3)新たな社会起業の担い手について考える


○社会起業の担い手は、現状「金持ち」「暇人」「意識高い系」


今回は、

 「現状、社会起業の担い手は3種類の人種しかいない」

この点について、ふれてみたいと思います。
厳密に言えば、

社会起業とか、あるいはボランティアとかの、
「はじめの一歩」を踏み出すのは、
どんな人なのか、というお話です。

ま、小難しく考えれば、
いろんな観点が挙がりそうですが、

ぶっちゃけ論でいえば…

・金持ち
・暇人(時間がある、あるいは作る能力がある)
・意識高い系

この3パターンのどれか、
あるいは複合しているか、ではないですかね?

ちなみに、ここでの「意識高い系」ってのは、

「一般人の基準からして、
 自分のこと以外のことを意識して、行動してる人」

くらいの意味合いです。

もっとぶっちゃけていえば、
一般人の基準からいえば「ええかっこしぃ」な人

ちなみに、社会課題の当事者だから、
その改善のためにやってる、的な、
いわゆる「当事者性」も、

一般人からすれば、
はっきりいって、ええかっこしぃに近いので、
あえて、意識高い系カテゴリーに入れてます。


「コイツの言ってること、なんか腹立つわぁ」

な〜んて人も多いとは思いますが、
事実ではないでしょうかね?

ビルゲイツだって、金持ちになったから、
財団をつくったのであって、
その逆ではないですよね?

(こうした「社会投資資本家」という生き方も、
一種の意識高い系として鼻つまみされやすいですが、
個人的には、歓迎すべき生き方だと思います)

アメリカでプロボノが活性化したきっかけも、
リーマンショックで、
失業して時間に余裕ができたビジネスマンが増えたから。

戦後これまで、日本で地域活動を下支えしてこられたのは、
専業主婦の方々の活躍によるところが大きい。

(専業主婦が暇人だ、とは個人的には全く思いませんが、
地域に対して時間を割きやすい、また割かざるを得ない、
こうした点はあると思います)


○「同調圧力とお上による社会的包摂」が弱まるなかで…


ま、これまでのお話は、
現代人にとっての、ある種の「常識」を、
つらつらと書いてみただけ。

さて、この「常識」を前提にして、
いくつか考えてみたい。

(1)伝統的な日本社会での社会起業の担い手(?)
(2)この「常識」の前提となっているもの

まず、伝統的な日本社会では、
社会起業の担い手(というのは、相当変ですが)は、

金持ちでも暇人でも、ましては意識高い系でもない。
ま、金持ちや暇人は、それでも主体的な役割を担うのですが。

要は、地域集団の「同調圧力」
(同調圧力という言い方が嫌なら、「絆」でもいいです)

現在でも、この同調圧力が強い地域は確かにある。
こうした地域では…

・地域で金のある人、若い人が、
地域の貧しい人、高齢者に奉仕するのが当たり前

・定期的に地域のイベントに、
主体的に参加するのが当たり前

こうした「当たり前」という名の同調圧力(絆)で、
ある程度の社会的弱者をカバーする。
そこには、別に意識高い系はいらない。

そう考えると、東日本大震災後、
絆社会ということが言われ出した頃に、

「意識高い系」という言葉が急速に広がったことには、
なんらかの関連性があるのかもしれませんね。

絆社会には、基本、意識高い系なんていらないしね。


しかし、同調圧力に嫌気が差し、
かつ、そこから逃れる人が増えれば、

「同調圧力による社会的包摂」の効力は弱まる。

その結果、これまで鼻つまみ者だった「意識高い系」に、
社会課題解決の一翼を担ってもらわないといけない。

起業家だって、基本「意識高い系」だから、
産業の創出といったものも含めると、

現在の日本社会は、
鼻つまみ者によって支えられている側面が強い。
なんだか、複雑ですねぇ。
余談ですが、

同調圧力から「逃れられるようになった」という、
選択肢の広まりは、大きな意味を持ちます。

いわゆる「ブラック企業」ってのも、
従業員が「逃れられない」と思っているから、
従業員はそこに甘んじている。

でも、最近は、
景気の回復とかなんとかで、

「どうも、別にブラック企業で一所懸命しなくてもよさそう」

となれば、みんな出て行きますわな。

ブラック度が高いといわれる業界で人手不足になっていますが、
なんか、担い手不足で苦しむ地域と、
少し重なり合っているところもあるかな、と、
個人的には思ったりします。


で、同調圧力という常識が崩壊して、

金持ち、暇人、意識高い系が、
社会起業とかボランティアの担い手、というのが、
現時点での常識になっているわけですが、

この「常識」は、以下の点を前提にしています。

(A)ホントは、「お上」「同調圧力」が担い手になるべき
(B)普通の人は、仕事以外の時間なんてない


「ボランティアって、
金持ち、暇人、意識高い系がやるもんでしょ」

と、ある種侮蔑的に見ている人は、
世の多数派ではないかと思いますが、

この手の侮蔑の背景には、やっぱり、

「そういったのは、お上がするもんでしょ」とか
「地域の絆が失われたから、こんなことになった」とか、
「しょせん、コイツらは自己満でやってるだけ」とか、

そういった思いが見え隠れしている気がします。

私たちは、何かと、
お上に(具体的な対案も示さずに)不平不満を言ったりしますが、
そのくせ、お上の保護を求めている。

土居健郎氏的に言えば、
一種の「甘えの構造」があるのかもしれません。

ただ、私が指摘するまでもなく、
現在進行形で、お上による社会的包摂も、
同調圧力による社会的包摂も、
効果を失ってきている。

その現実は、直視しないといけませんね。


ま、

「ボランティアって、
金持ち、暇人、意識高い系がやるもんでしょ」

と侮蔑的に思うのは、

「自分にはそんな時間なんてないわ!」

という、ある種の怒りの方が、
はるかに大きいでしょうかね。

いわゆる「社畜」状態になると、
1日のほとんどの時間を会社に使っている自分が偉くて、

定時に帰って、土日は休みで、
空いた時間にボランティアとかしてる奴は、
一種の二等市民なんじゃないか、と思えてくる。

ただ、それも、
グローバルスタンダードとしてはちょっとおかしくて、
女性の社会進出とか、子育てと仕事の両立とかを阻害して、

しかも、それで生産性は先進国で最下位クラス。
な〜んて指摘は、複数の識者がしていること。

いくつかの職業を除いては、
現在の長時間労働の慢性化は、
常識ではなくなってくる。

その「常識ではなくなるまでの時間」を早めるために、
一部の社会起業家たちが頑張っていますが、
個人的には、政府が鎖国政策でもとらない限り、
時間の問題だろうとは思います。


○「金持ち」「暇人」「意識高い系」だけでは、
今後の社会的包摂は担えなくなるのでは?



まとめると、

現状では、確かに、
社会起業の担い手は、「金持ち」「暇人」「意識高い系」。

ま、金持ちは昔も今も変わりますまい。
個人的には、金持ちの中に、
社会投資資本家が増えることを願っていますが。

暇人に関して言えば、

今後の労働市場の流れは、
規制緩和とか、それに関連して、
残業の減少に進んでいくと思われます。
というか、そう思いたい。

そうなると、暇人は増えるのかな?
逆に、労働規制強化して、結果残業が一層増加すれば、
社会起業の担い手は、

「金持ち」で「意識高い系」(ほぼ高齢者)と、
「暇人」で「意識高い系」(ほぼ若者)との乖離が、
今よりも益々進みそうです。

もう、正社員はボランティアのボの時もいえなくなるほど、
残業三昧になる、ということになるので。
ただ、時間があればいい、というわけでも当然無い。
「無業社会」なんて言葉も言われていますが、

「働きたくても働けない」人は、
時間はあるかもしれませんが、

社会課題の当事者として苦しんでいるわけで、
そこから社会起業の担い手を願うのは、
かなり酷なお話ではあります。

そういうケースも、ちらほらとはありますが…
いずれにせよ、自治体の崩壊とかも、
今後は加速していくでしょうから、

同調圧力とお上による社会的包摂が、
今後は益々難しくなるのではないでしょうか。

そうなったときは、もはや、
 現状の「金持ち」「暇人」「意識高い系」だけでは、
 セーフティネットとか社会的包摂は、
 もう保てなくなるのではないか。

そんなことを、危惧しています。

…次回は、ひところ業界(?)で話題になった、
「みんなが社会起業家」論について、
再考してみたいと思います。




※この記事は、P-SONICのHP記事より転載しております。
http://www.psonic.org
posted by ccc_summit_hiroshima at 12:07| Comment(0) | 社会起業トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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