「ひろしま社会起業支援サミット2010」
を開催しました!

・日時:2010年6月27日(日)
・場所:広島経済大学 立町キャンパス
 (市電「立町」からすぐ)

・参加費:無料

 当日の様子等がわかる「事業報告書」はこちらから!
hiroshimasocialsummit2010_report.pdf

2010年11月24日

社会起業家は「地獄への道を善意で舗装する」人になるのか? -3-


 発起人の森です。

 「社会起業についての情報や意見などを、
  もっとこのブログで紹介してほしい」

 そうしたリクエストを受け、
 私が別に管理している、P-SONICのブログの情報を、
 このブログにも転記いたします。

 この<社会起業とは>シリーズの過去記事は、
 P-SONICのブログからご覧いただけます。

 http://ameblo.jp/p-sonic001/

 なお、まぐまぐのメルマガでは、
 ブログに記載されていない、
 社会起業やNPO運営等に役立つ、
 様々なお役立ち情報も見ることができます。
 
 ブログ右上から、ぜひ登録をお願いいたします。

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 P-SONIC代表の森です。

 先週は、土日ともに慌しく過ごしていました。

 土曜日は「コミュニティビジネス起業塾」に参加し、
 日曜日は「シニアのための“これからの豊かな生活”応援フェア」に、
 手伝い兼ブース展示を行っていました。


 「シニアのための“これからの豊かな生活”応援フェア」は、
 UStreamで放送したのですが、音声が聞こえにくかったようです。

(最初は全く聞こえず、
 途中から、マイクをステージ発表者ぎりぎりまで近づけて、
 なんとか、静かな環境でPCの音量を最大にして聞こえる程度)

 後日、YouTubeでダイジェスト版を放送予定ですので、
 期待せずに、お待ち下さい。

 
 土曜日の「コミュニティビジネス起業塾」では、
 福山市にある「平和建設株式会社」の岡田 吉弘社長から、
 話をうかがいました。

 平和建設株式会社のホームページは、こちらから。
 http://www.heiwakensetsu.co.jp/

 岡田社長は、NPO法人「鞆まちづくり工房」の事業を
 手伝うようになったのがきっかけで、
 地域活動に関心を持つようになったとのこと。

 建設会社社長であり、かつ実家が農家という経緯もあって、

 「住」と「農」と「食」の連携を通した、
 瀬戸内の発展を願って、様々な活動を行っておられます。


 たとえば……

・昔作られていた「もち麦」の再生産

・「もち麦」を使っての「瀬戸内地ぱん」の開発

・衰退著しい「備後いぐさ」の生産、
 および製作の過程で捨てられるいぐさを加工して、
 いぐさのランプや掲示板などを製作


 興味深いのは、「農」の分野を行う為に、
 農業生産法人「アグリインダストリー」をたちあげ、
  http://www.agri-in.co.jp/
 
 「食」の分野を行う為に、株式会社紫萌堂を立ち上げるなど、
 目的別に複数の法人を立ち上げている点。
  http://www.shihomame.com/index.html

 岡田社長もそうですが、業種横断的に活動しようとすると、
 複数の法人を作る必要に迫られる傾向があるといえます。

 株式会社でないとできないことや、
 農業生産法人でないとできないことなど、
 法人ごとのメリット、デメリットがあるからなのですが。


 個人的に、興味を持ったのは「瀬戸内地ぱん」。

 「地ぱん」という概念は、岡田社長がオリジナルではなく、
 銀嶺食品工業株式会社の、大橋雄二社長がオリジナルだそうです。
  http://setouchi-jipan.jp/about.html

 私自身、恥ずかしながら「地ぱん」については、
 これまで聞いたことがなく、
 自身の不見識を思い知らされました。
 
 地ぱん。今後のコミュニティビジネスでの、
 一つのキーワードになりそうです。
 これは、ぜひとも多くの人にPRしてみたい。


 岡田社長も言っておられました。

「フランスには、フランスパンがあり、
 世界の多くの国で、その国ならではのパンがある。
 
 しかし、日本には残念ながらそのようなパンはない」

 
 地ぱんが、日本ならではのパンとして定着するよう、
 願うばかりです。


 ……それにしても、こんな台詞、
 どっかで聞いたことがあるような!?


 さて、本題に入ります。

前回まで、「地獄への道は、善意で舗装されている」という言葉を手がかりに、
 派遣村問題などを例題にして、
 社会起業家が陥るかもしれない問題について考えてきました。

 これまでのポイントをまとめると、以下の通り。

1.社会起業家が事業を始めるきっかけは、目の前の社会課題の解決にある。
  社会課題の背景にある問題を見つめないことが多いのではないか。

2.「目の前の社会課題に対する根本策」については、
   様々な観点から見つめないと、問題が解決しないばかりか、
   問題が一層深刻になる事がありえるのではないか。


 この問題1、問題2について、
 ふれてみることにします。


◆問題1について考えない社会起業は、支持を得られない


 まず、問題1について。

 実は、現在第一線で活躍している社会起業家たちは、
 ほぼ社会課題の背景にある問題を見つめ、
 その解決を意識して活動しています。

 例えば、NPO法人コーチズでは、
 高齢者の介護予防運動を行う背景として、

 少子高齢化という人口構造が、
 今後の介護費用の高騰を促す可能性が大いにあり、
 行政、国家が財政破綻を起こすのを防ぐ為にも、

 介護の必要ない高齢者を増やすことを目指しています。


 このことは、逆を言えば、

 社会課題の背景にある問題を明確にし、
 その解決のために活動していることを示せないと、
 活動は広がらないことを示しています。

 一見当たり前のようにみえますが、
 案外、そのことができていないケースも、往々にしてあります。

 また、社会課題の現場にて、第一線で活動していると、
 そうでない場合に比べて、
 その背景にあるものが、見えやすいのも、また事実です。


 まとめると、目の前の社会課題を解決しようとすると、
 往々にして、

「社会課題○○のために、××の活動を行います」

 ということになりがちなのですが、

「○○という社会課題があります。
 そして、その背景には、□□という問題があります。
 私たちは、□□を解決する為に、××の活動を行います」

 と説明することが問われる、というわけです。


 そして「□□という問題」については、

・客観的なデータで示す(そのための資料を集める必要がある)
・活動を通しての「気づき」として示す
(この「気づき」は、その団体のオリジナリティたりうるので、
 他団体との差別化要因になります。
 そして、「気づき」の裏づけデータがとれれば、鬼に金棒です)


◆サービスではWinWinを、アドボカシーでは、財源を含めた意見交換を


 続いて、問題2について。

 問題2については
「事業・活動(サービス)レベル」と「意見・提言(アドボカシー)レベル」の
 それぞれで対応が変わります。

 まず、事業・活動レベルでは、
 基本的な考え方としては、

「全てのステークホルダー(利害関係者)のWin - Winを図る」

 要は、

「この事業、サービスを通して、みんなが何らかの得をする、
 または著しく損害をこうむる人がいない」

 そんな事業をめざす、ということになります。
 
 一見、当たり前のように聞こえますが、
 これが非常に難しい。

 難しさの例としては……

・社会性を強調しすぎて、サービスの質が落ちる。

 「この商品を買うと、○○に寄付されます」といったって、
 ほしくない商品は、買わない。

・誰かに、見返りのない犠牲を強いる
 

 ……などなど、全てのステークホルダーがWin - Winであることは、
 非常に難しい問題なのです。


 注意したいのは、こうしたサービスに、税金が投入された時点で、
 損害をこうむった気になる人が多くいるため、
 派遣村のように、税金が投入されるサービスの場合は、
 使用用途の明確化が必要になります。

(その用途が妥当か、という判断については、
 意見がまとまることは決してないため、
 用途の妥当性については、神経質になってもしかたありません。
 神経質になるべきは、用途の明確化、会計の明確化です)



 意見・提言(アドボカシー)レベルでは、
 
「異なる立場の意見をたたかわせて、
 財源問題を踏まえた妥協点を見いだす」

 より方法がありません。
 具体的には、デモとか討論会とかになるでしょう。
 最近では、ツイッターを使うのも手です。


 例えば、往々にして、行政(国)と市民は対立しますので、
 意見をたたかわせる必要があります。

 ポイントとしては、カネがないと何もできないので、
 可能な限り、財源問題を踏まえて討議すると、
 実のある討議、妥協点の落としどころがでてくるようになります。


 この問題を考えるうえで、好例としてあげたいのが、
 鞆まちづくり工房、および代表の松居さんについて。

 福山市鞆の浦では、交通や産業の問題から(特に交通面)、
 鞆の浦に橋をかけようという動きがでています。
 (確かに、鞆の浦の道路は狭い)

 橋が架かると、景観が損なわれて、
 観光地としての鞆の浦の価値が減る為、
 反対活動も根強い。

 松居さんは、反対派の代表格です。


 ここで、橋を架けるか否かという二元論に終始するのではなく、
 要は「鞆の浦をもっとよくしたい」という、
 より大きな次元で思考。

 そのため、事業・活動(サービス)レベルでは、
 竜馬が宿泊した宿を含め、古い町並みの保全活動を実施。

 意見・提言(アドボカシー)レベルでは、
 反対派の立場に回るわけですが、
 その際も、交通問題を是正する為に、
 橋ではなくトンネルをつくる、という代替案も提示しました。

 結果、この問題は、現状では宙吊りになっているのですが、
 取り組み方としては、学ぶべき所が多いと思います。

 
 
 社会起業家は「地獄への道を善意で舗装する」人になるのか?

 ここまでの努力を行っても、そうなる可能性は、あります。
 しかし、後世の後付け解釈は、
 現在の私たちは知る由もありません。
 
 様々な努力を行いつつ、
 地獄への道ではなく、天国への道を善意で舗装する活動を、
 社会起業家は行っていくことが、求められています。

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posted by ccc_summit_hiroshima at 07:12| Comment(0) | ひろしま社会起業支援サミット2010 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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