「ひろしま社会起業支援サミット2010」
を開催しました!

・日時:2010年6月27日(日)
・場所:広島経済大学 立町キャンパス
 (市電「立町」からすぐ)

・参加費:無料

 当日の様子等がわかる「事業報告書」はこちらから!
hiroshimasocialsummit2010_report.pdf

2010年06月22日

【社会起業家インタビュー】NPO法人もちもちの木・竹中 庸子代表理事


「ひろしま社会起業支援サミット2010」にて、
 活動プレゼンを行っていただく、NPO法人もちもちの木。
 http://blog.canpan.info/mochimochinoki/ 

 今回は、本番に先立ち、
 「もちもちの木」の竹中 庸子代表理事に、
 インタビューを行いました。

DSC00054_1.JPG

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■「もちもちの木」設立に至るまで


−2001年にもちもちの木を立ち上げる前、レジャンティアという団体を1992年から運営されていたそうですが。

 「レジャンティア」とは、
 「レジャー」と「ボランティア」からきた造語です。

 レジャーイベントを通して、福祉団体に寄付を行う、
 というコンセプトで活動していました。

 具体的には、ジャズコンサートを行って、
 その参加者収益から、寄付を行ってました。

 しかし、「利益を寄付する」というスタイルで
 活動している以上、
 赤字ではダメなことはもちろん、
 収支とんとんでもダメ。寄付ができません。
 
 それでも、30万円ほどは寄付できましたが、
 長期的な活動としては難しいと感じました。 


−「1995年から特別養護老人ホームの運営に携わる中で、
 大規模施設のあり方に限界を感じた」と
 ホームページでもいわれていますが、
 具体的に、どのような限界を感じたのですか?



 当時スタッフがデンマークに行く機会があり、
 そこでは大規模施設の解体が行われていたと聞きました。
 
 定員60人以上規模の施設は解体され、
 定員10名規模の施設に分割されていたのです。
 
 病気や障害などで生活に困難を抱えた人達が、
 専門スタッフ等の援助を受けながら、
 小人数、一般の住宅で生活する社会的介護の形態を、
 「グループホーム」と呼びます。
 
 ちょうど、デンマークでは、
 グループホームが浸透しようとしていたところでした。

 しかし、当時の日本では、
 いまだに大規模施設が主流でした。

 大規模施設が抱える、個性のないケア、
 顔が見えにくい関係。

 ここに、限界を感じたのです。

 
 そうしていると、日本でも2000年度に
 介護保険制度が導入され、制度の中に
 「グループホーム」の含まれていたため、

 グループホームとして
 「もちもちの木」を始めようと思い立ちました。


−なぜ、「もちもちの木」という名前なのですか?


 これは、絵本からとっています。

DSC00053_1.JPG

 この『もちもちの木』という絵本では、
 やさしい「じさま」と、
 甘えんぼうの「豆太」、

 という2人の人物が登場します。
 
 豆太は、小屋の前の、
 おばけのように見えるモチモチの木がこわくて、
 夜、ひとりで、しょんべんにもいけない弱虫です。
 
 ある夜、じさまが腹痛をおこすと、
 豆太は、こわさをこらえて、山のふもとの医者のもとへ。
 
 そして、医者をつれて小屋へもどってくると、
 モチモチの木に、火が灯っているのを見ます。

 それは、ほんとうの勇気のある人間だけが
 見ることのできる、火でした。

 
 …というお話なのですが、私は、この話を、

 「優しさが、ほんとうの勇気に変わる」
 というシンボルととらえました。

 私たちの理念は、

 「やさしい心 〜 迷ったり 探さぬよう そばにいるよ!! 〜」

 みんながふつうにくらせるしあわせを
 守って行きたいと考えています。
 そのシンボルとして、この名前がぴったりだと思い、

「もちもちの木」という名前にしました。


■みんなの気持ちを受け止めていくと、活動が広がる


−「もちもちの木」の事業として、グループホーム以外にも、
 デイサービス「土橋のおうち」(定員13名)、
 ヘルパーステーション「もちもちの木」、
 ふれあいサービス「もちもちの木」、
 ふらっとホーム「河原町のおうち」、
 このたびは「古田のおうち」を開設したりと、
 活動が多岐にわたっていますが、
 なぜここまで拡大させたのですか?



 実は、私たちのコンセプトとして、
 「一人の人に寄り添ったケア」を心がけています。

 つまり、一人一人が持つ生活課題に
 寄り添っていくうちに、
 活動がどんどん増えていったのです。
 
 活動のベースは、
 グループホームとデイサービスですが、

 在宅ベースの方のニーズを伺っていく中で、
 ヘルパーステーション(※1)が誕生し、
 ナイトケア(※2)も実施するようになりました。

 さらに、
 「多くの人との交流がほしい」というニーズの中で、
 ふらっとホーム「河原町のおうち」も誕生しました。

 このたび建てた「古田のおうち」は、
 地域の方と一緒にいろいろなものを
 つくっていくための施設です。

 DSC00051_1.JPG

 たとえば、現在地域食堂のサービスを始めました。

DSC00056_1.JPG

 これも、地域の方と施設の方が一緒にふれあいたい、
 というニーズあってのことです。

 また、古田のおうちでは、今後園芸も行っていきます。
 地域の人とを結びつける「園芸福祉」というスタイルです。

 園芸のプロの方にもサポートしてもらい、
 来年6月には、タマネギやジャガイモも収穫して、
 カレーパーティを地域で開催する予定です。
 
 「古田のおうち」一帯は、
 大半が高齢者の一人暮らし、
 あとは若夫婦が暮らしているといったように、
 地域内の交流が促進されにくい現状です。
 
 いかに、生活者のニーズを探り出し、
 そこに応える事業を行うか。そこに、苦労しています。


−四方八方に手を広げている中で、どのようにして、
 活動を成り立たせているのですか?


 
 私たちは、支援者のニーズを常に追求して、
 それに応える活動をしています。
 
 いいかえれば、需要は常にあるため、
 赤字にはなっていません。
 
 とはいえ、大幅に稼いでいるわけでもなく、
 だいたい、収支とんとんで運営しているのですが。

 赤字だったのは、活動をはじめたころだけですね。
 長期的に見れば、黒字化(とんとんですが)しています。


■多くの人に支えられて


−様々な活動を行われているわけですが、
 スタッフの様子などはいかがですか。


 私には、いつも周りが支えてくれ、
 背中を押してくれる人がたくさんいます。
 
 私が主導権を持って行ったプロジェクトは、
 ほとんどないといっていいと思います。
 
 そうした意味で、もちもちの木はトップダウンではなく、
 みんながそれぞれ、小さな活動を運営していって、
 それをトータルすると、大きな活動になっている、
 という感覚です。
 
 ですが、そのために大切なことは、
 私自身が「私の理想」を語り続けることです。
 
 私自身、
「できるところからやっていく。
 うまくいかなかったら、すぐやめればいい」

 と考えているので、様々なことにとりくんでいます。


−一般的に、複数の活動を抱えていると、
 やめるタイミングが難しくなります。
 ある活動をやめる場合、そのための決め手などはありますか。


 私たちは、本当に小さな活動をたくさんやっているので、
 やめるのも簡単です。

 やめるかやめないかどうかの判断は、
「それが、本当にみんなに喜んでもらえているか」  
 それだけです。


■起業・雇用での心得とアドバイス


−近年、社会起業とかコミュニティビジネス、
 ソーシャルビジネスとかが注目されつつあります。
 そうした世界に関心のある方への
 アドバイスをお願いします。



 私は、鳥取県で起業セミナーが
 開催された際に呼ばれたのですが、

 そこで話したのは、
 「小さい会社について」というテーマでした。
 
 私は、小さい会社、中小企業の利点として、

「税金が、広島とかのそれぞれの地方におちる」
 という点をあげています。

 大会社だと、本社が東京にあったりするために、
 その地方に税金がおちにくい。
 
 私自身は、広島には小さい会社が
 まだまだ少ないと感じているため、
 その点で、社会起業の余地は十分にあると考えています。


 あとは、雇用の問題。
 私たちは、障がい者を1人雇用しており、
 スタッフにも、元ひきこもりが5〜6人います。
 
 また、スタッフ全体の層も、21歳〜69歳までと、
 多様なスタッフが集まるようにしています。
 
 そして、私は「長期的な雇用」を重視しているため、
 給与は低めですが、
 社会保障を整えることを心がけています。
 
 ボランティアスタッフも大勢いますが、
 全員に交通費、食費は支給しています。
 
 私は、それぞれの地域には、
 「ずっと働ける場」が必要と考えています。

 全ての高齢者が、早い内に退職して、
 あとは年金暮らし、というスタイルを、
 どれだけ維持できるかわからないためです。
 
 たとえば、この「古田のおうち」一帯は、
 いちじくが名産です。
 こうした名産を高齢者が育てて、
 売ることも必要だと思います。
 
 
 あとは、長期的な視野を持つこと。
 私は、古田のおうちが一段落付くのは、
 5年かかると見ています。
 
 短期的な成果を求めて、
 広告をたくさん出して人を集めても、
 生活者のニーズと乖離していては、
 定着はありえないのです。
 
 あと、これは私自身の課題でもあるのですが、
 今やっていることを後の世代、若い世代に
 継承できるように、
 何らかの形でまとめておくことが必要です。


−お忙しい中、ありがとうございました!


※1 ヘルパーステーション
 在宅で生活している方で介護が必要な高齢者または家事援助が必要な方の家庭に対して、ホームヘルパーを派遣し要介護者の心身の特性を踏まえて、身体に必要な介護と、調理、洗濯、買物等の家事援助、その他の日常生活全般にわたる援助のサービスを提供する機関
※2 ナイトケア
 ショートステイの困難な方のお泊りです。もちもちの木では自主事業で行っています。
 
posted by ccc_summit_hiroshima at 21:04| Comment(0) | 社会起業家インタビュー(2010) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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