「ひろしま社会起業支援サミット2010」
を開催しました!

・日時:2010年6月27日(日)
・場所:広島経済大学 立町キャンパス
 (市電「立町」からすぐ)

・参加費:無料

 当日の様子等がわかる「事業報告書」はこちらから!
hiroshimasocialsummit2010_report.pdf

2009年10月21日

社会起業家インタビュー! 〜NPOコーチズ 兒玉宏・代表理事〜

「社会起業支援サミット2009 in広島」
 発起人の森です。

 皆さんお待ちかね、社会起業家インタビューのコーナーです!

 今回は、主に高齢者の健康増進と体力向上に取り組む、
 「NPOコーチズ」の兒玉宏・代表理事に、
 インタビューを行いました。


 http://www.npo-coaches.org/

 コーチズは、サミットの活動プレゼンの参加団体の一つです!

Dsc00011_pic.jpg


------------------------------------------------------------

−コーチズという団体を立ち上げられたきっかけを教えて下さい


 現在は、主に高齢者の健康増進と体力向上を
 メインに取り組んでいますが、
 
 最初は、有志のスポーツマンが集まって、
 コーチの集まり=コーチズとして、
 何かできないかと思ったのがきっかけです。

 それで、地域に出て行ったのですが、
 そこで、高齢者をとりまく問題の大きさに、
 直面したのです。

 たとえば、スポーツ指導者として、
 介護施設から依頼があって、
 施設を訪問すると、

 そこには、重度、軽度の様々なお年寄りがおられて、
 身体的にも様々な苦労をされている風景が、
 飛び込んでくるわけです。

 「自分も、将来はああなるのだろうか?」
 「うちの親は、将来どうなるのだろうか?」

 そんなことを、まざまざと思わされました。

 そして、そんな実感を持った中で、
 日本の人口ピラミッドの現状を見ると、
 
 「この高齢者問題は、非常に深刻な問題である」

 それが、強い実感となって、
 自分の中に飛び込んできました。

Dsc00013_pic.jpg


 人口ピラミッドを見ると、
 真ん中が太く、下の方が細くなっているでしょう?
 下の方は、今の10代、20代です。
 真ん中の太い部分は、現在の50、60代です。

 これが20年もすると、
 今の若い世代が、相当数のお年寄りを支える、
 そんな構造になるわけです。

 今の若い世代が大変になるのはもちろんですが、
 深刻なのは、将来のお年寄りをケアする人口が、
 絶対的に不足することです。

 現状でも、
 一人暮らしのお年寄り、寝たきりのお年寄りが、
 身の回りにはたくさんいます。

 普段、街を眺めていると、
 その現状が見えにくいだけです。

 自己資産の蓄えが相当あるお年寄りであれば、
 手厚い介護を受けることができるのですが、
 それは全体の2〜3割にすぎません。

 多くのお年寄りは、年金生活で細々と生活している。
 そのような方々が寝たきりになってしまうと、
 誰がその方々をケアしていけるのか?

 そう考えると、私は、将来は、
 高齢者の自殺率が増えていってしまうのではないかと
 危惧しています。


 私たちは、そうした人たちに活力を与える、
 まずは、自分の家から外に出て行けるだけの
 健康と体力を持って頂くことが、
 コーチの集まりとしての私たちの役割であると、
 強く実感しています。


■主な事業 〜健康教室とその指導者養成〜


−では、高齢者たちに、自分の家から外に出て行けるだけの、
 健康と体力を持って頂くために、
 どのような事業を行っていますか?



 メインは、健康教室になります。

 スポーツコーチとしての経験と、
 これまでの実績を元に、
 
 集まる高齢者の体力や状態に応じた、
 様々な健康教室を実施しております。

 中でも、私たちが健康増進のために、
 独自に考え出した、

 「ガンバルーン」という器具を使用した、
 ガンバルーン体操が、非常に好評をいただいております。

 健康教室の運営費用は、主に行政、自治体、
 あるいは地域の老人会等から、
 頂いております。

 また、健康教室の運営費用を補填するため、
 それ以上に、より多くの地域で、
 健康教室を開催できるだけの人材を育成するために、
 指導者養成講座を開催しています。

この指導者養成講座を通して、
 いかに私たちの理念と技能を持った指導者を、
 多く輩出できるかが、最も重要なミッションであると、
 私は考えています。

 その甲斐あって、これまで全国から講座参加者から、
 約2000人あまりの卒業生を輩出し、

 コーチズグループも、NPO法人格としては
 鹿児島、佐賀、大阪、島根の4都道府県、
 任意団体としては10の都道府県で、
 広がりを見せています。
 
 
■株式会社としての事業 〜器具販売と介護保険認定調査〜


 なお、私たちの事業として、
 他にも健康増進器具の販売があります。

 代表的なのが、先ほどもお話しした
 「ガンバルーン」ですね。

 あとは、ガンバルーンの使い方等の、
 一連のテキスト販売も事業に入ります。


−その「ガンバルーン」というのは、どのような器具なのですか?


 このような器具になります。

 
Dsc00009_pic.jpg


−空気が抜けて、ボールがひしゃげていますが?

 ガンバルーンは、
 わざと空気をゆるくしておくのがミソなのです。

 こうすることで、高齢者の方が、
 ボールをつかむことができるようになります。

 ボールをつかむ、動かす、転がす。
 こうした一連の動作が、
 ガンバルーン体操の要になるのです。

 これが、バスケットボールやサッカーボールであれば、
 高齢者は確実につかめません。

 では、風船ではどうかというと、
 割れてしまう危険性が大です。


−ガンバルーンは、どのようにして開発、製造されたのですか?


 最初は、サッカーボールやバスケットボールで世界的に有名な、
 株式会社モルテンに、開発製造をお願いしました。

 私どもの事務所から、モルテンの事務所は、
 歩いて数分の距離ですので、交渉に行くのも楽でした。

 モルテンの担当者の方は、
 ガンバルーンの話を聞いて、
 最初は非常に困惑してましたね。

 「いかにして空気圧、ボールのバウンド、飛距離を高めるか」

 これを世界レベルで追求している会社に、

 「空気があまり入ってなくて、あまりバウンドしない、
  手でつかめるボール」

 そんな相反するボールの開発をお願いしているわけですから(笑)

 それ以上に、モルテンの方にとっては、

 「高齢者は、ボールを買わない。
  買ったとしても、孫へのプレゼントだろう」

 ということで、完全に高齢者に対して、
 これまで事業の対象にされていなかったのです。

 それでも、モルテンの担当者に、
 介護の現場につきあって頂き、
 現場の様子を生で見て頂く中で、
 ガンバルーンの製造開発に取りかかりました。

 ただ、モルテンさんはやはり大企業ですから、
 細かいボールの微調整やら、コストの問題とかで、
 継続的な製造が難しくなっていきました。

 そこで、私の友人が中国で事業をしていたコネを使って、
 中国の工場で、ガンバルーンの製造を行うことにしました。

 そして、ガンバルーンの製造販売を拡大するために、
 NPOとは別に、「株式会社コーチズ・インターナショナル」という、
 株式会社を別に立ち上げました。

 現在、この株式会社では、
 ガンバルーンの製造販売が、売り上げの多くを占めています。


−では、残りは、どのようにして利益をあげているのですか?


 残りは、介護保険の認定調査(※1)を行うための、
 調査員派遣事業を行っています。

 元来、介護保険の認定調査は、
 市町村がメインに行っていますが、

 「株式会社コーチズ・インターナショナル」で、
 調査員のアウトソーシングを引き受けているのです。 
 

■事業の立ち上げ時が一番大変


−これまで様々な活動をされてきた中で、一番大変だったことは?


 なんといっても、最初にガンバルーンを作ったときが、
 一番大変でしたね。

 何が大変だったかというと、やはり資金不足です。

 当時、NPOに多額のお金を融資してくれる制度は、
 存在していませんでしたので、
 どうやって資金を確保するかで、相当苦労しました。
 今は、時代もだいぶ変わってきて、
 NPO向けの融資制度も、以前より充実していますが。

 それで、どうしたかというと、
 株式会社を作ったわけです。
 株式会社なら、公的機関の融資も受けやすくなります。

 また、介護保険の認定調査も、
 スポーツ指導のプロとはまた別のスキルが必要ですから、
 調査員の人材育成、また人件費も、
 最初のうちは大変でした。


■NPOに対する意識の変化

 
 ガンバルーンの製造、販売をはじめたとき、

「NPOは非営利団体なのに、
 なんで物品の製造、販売をやっているのか」

 という声が、周囲からは強く出ていました。

 当時は「NPO=お金を儲けてはいけない」
 という意識が、世間一般の中で、今よりも強かったですね。

 それで、物品の製造販売というハード面は株式会社で、
 建造増進、指導者養成プログラムなどのサービス、
 つまりソフト面はNPOで、

 そのような区分けをしたところ、
 コーチズ内部もすっきりしましたね。

−それまでは、コーチズ内部も
 すっきりしていなかったということですか?



 そうですね。

 コーチズのメンバーの声としても、

「なんで、自分たちが物品の製造販売という、
 金儲け事業をやっているんだろう?」

 という声が強かったのです。

 私自身は、コーチズを始めたときから、

「コーチズを、NPOとして以上に、
 ベンチャーとして、いかに儲けを生み出していくか」

 という思いが強かったので、
   
 高齢者の健康増進という「ミッション」と、
 様々な事業を行う「ビジネス感覚」は、
 両者が整合性がとれていたのですが、

 この整合性がとれていない人たちが、
 NPO関係者の中には多いことも事実です。

 ただ、現在は、この整合性を取って活動する存在としての
 「社会起業家」が注目されようとしています。

 また、社会起業家、ソーシャルビジネスに関して、
 従来ボランティア推進の中核を担ってきた内閣府ではなく、
 経済産業省が中核となって推進しようとしているのも、
 私としては画期的なことだと考えています。


■現在、困っていること


−活動を進める上で、現在困っていることはありますか?


 そうですね。活動を通して、高齢者の方と接していると、
 高齢者の様々なニーズが分かってきます。

 今は、逆にその様々なニーズが分かりすぎて、
 全てに対応できないのが、困っているところです。

 メンバーからも、

「こうした事業をやれば、
 あのニーズに対応できるのではないか」

 という声がよく上がってきますが、
 あれもこれも手を広げるわけにはいきません。

 しかし、ニーズは切実に伝わってくる。

 そこに、ジレンマがあります。


−NPOに限らず、社会起業家も、
 ヒト、モノ、カネ、情報、PR等の問題を
 抱えることが多いですが、そのあたりについては?



 最近は、資金繰りも上手く回るようになってきましたし、
 もともと指導者養成等の人材育成プログラムは充実させてますし…

 そう考えると、PRがもっとできるといいですね。
 全国規模で。

 将来は、47都道府県全てで、
 コーチズグループが活躍できるようになるのが、
 私たちの将来の夢ですので。



−本日は、お忙しい中、本当にありがとうございました!
 

※1:介護保険の認定調査

 要介護認定の元になる認定調査を行うこと。
 高齢者の自宅や入所中の施設、入院中の病院等を訪問し、
 調査項目に従って、心身の状態についての聞き取り、
 確認等を行い、調査票にまとめる


------------------------------------------------------------
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。